上手だね
えらいね
こんな言葉を何気なく使ってませんか?
ママやパパが子どもを褒めることは最高のご褒美です。
しかし、間違った褒め方で子どもを育てるとやる気を失い、自己肯定感が下がってしまう原因になります。
なぜなら、子どもを褒めることは大人がその子を評価していると同じことだからです。
評価されて育った子どもは
- 常にいいことをしなければいけない
- 相手からどうみられてるんだろう
と他人からの評価を過剰に気にする人へと成長してしまいます。
じゃあどうやって子どもを褒めたらいいの?
と疑問に思っている方も多いと思います。
褒める代わりに認める子育てをすると、子どもは自分に自信をもって、様々ことに挑戦できる人に成長します。
つまり、自己肯定感が高い人へと成長します。
そこで今回は認める子育て方法のについて記載していきます。
- 褒めることの危険性
- 褒めると認めるの違い
- 認める子育てのメリット
- 認め方3選
子どもを褒めるのでなく、認める子育てを実践し、意欲的に行動できる子どもへと育てていきましょう。
以下のような悩みがある方に、特に読んで欲しい内容になっています。
褒め方が分からない
色々な事に挑戦する子どもに育って欲しい
認めるスキルはビジネスでも使われている人をやる気にするコーチングスキルの1つです。
今回の記事を参考に認めるスキルをマスターして子育てに活かしてもらえると幸いです。
子育てで褒めると危険な理由5選
褒めることで子どもの行動をコントロールしようとすると以下5つの危険性をはらんでいます。
1.他人の評価を過剰に気にする人になる
2.褒められないと頑張れない人になる
3.自分の気持ちが分からなくなる
4.できなかった自分はダメだと感じる人になる
5.失敗を恐れる人になる
それぞれ詳しく説明していきます。
1.他人の評価を過剰に気にする人になる
褒められて育つと人からの評価を過剰に気にする人になってしまいます。なぜなら、自分がアクションを起こした時、常に褒められて(評価されて)育ったからです。
例えば、大好きなお絵描きをしている子どもがいたとします。
そこで一言、ママから「上手に書けてるね」と褒められると、子どもの頭の中は「この絵を書きたい」から「次も褒められたい」「何を書いたら褒められるかな」という気持ちになります。
つまり、褒められることに執着する気持ちに変わってしまいます。
上手に書けてるね
次も褒められたい
何を書いたら褒められるかな?
ある日、褒めることをやめてしまったらどうでしょう?
なんで褒めてくれないの?
ぼくの絵が下手だから?
このような気持ちになり、大好きなママからの評価を気にする子どもへと成長してしまいます。
このまま大人へ成長するとどうなるでしょうか?
上司からいい評価を得ないと満足できない人になり、仕事自体に満足感を得られなくなってしまいます。
いい評価をされたい…
つまり、人の評価に左右される人生になってしまい、幸福度が下がってしまいます。
褒められ続けると、他人の評価を過剰に気にする人になり、幸福度が下がってしまう危険性があります。
2.褒められないと頑張れない人になる
褒められないと頑張れない、褒められ依存症になってしまいます。
褒められることでやる気になってた場合は、褒められないと意欲を失ってしまいます。
例えば、大好きなお絵描きを書いていたとき、ママが「上手だね」「すごいね」と褒めることで、子どもはすぐにやる気をもちます。
しかし、褒められ慣れていると、他人からの褒め言葉がないと、「褒められないなら書くのをやめよう」という気持ちになってしまいます。
褒められる事がやる気の源となり、ご褒美がないと頑張れない子どもへと成長してしまいます。
3.自分の気持ちが分からなくなる
好きだから「やりたい」という自分の気持ちが分からなくなってしまいます。なぜなら、ママやパパから褒められることが目的になってしまうからです。
褒められることが目的になると相手の気持ちばかり考える子になってしまいます。そして、自分の本当に好きという気持ちが分からなくなってしまいます。
つまり、好奇心がなくなってしまいます。
4.できなかった自分はダメだと感じる人になる
上手にできたときだけ褒めてると、出来なかったときの自分は無価値だと感じてしまいます。できている自分をいつも評価されて育ったからです。
例えば、テストで100点をとった時だけに褒めていると、テストで100点をとれない自分はダメな子だと感じてしまいます。
親のやって欲しいことができたときにだけ褒めていると、子どもはできない自分はだめな自分だと感じてしまいます。
5.失敗を恐れる人になる
成功したときだけ褒めて育てると、失敗を恐れる子どもへと成長します。次やったときに失敗したらどうしようという気持ちになるからです。
次、失敗したらどうしよう…
挑戦するのはやめておこう。
安易に褒められるとプレッシャーを感じてしまう子どももいます
「褒める」と「認める」子育ての違い
褒めるはその人を評価することで、認めるとは行動や存在や事実を伝えることです。
特徴 | どのような人に育つのか? | 声掛け例 | |
---|---|---|---|
褒める | その人を評価すること | 評価を過剰に気にする 自己肯定感が低い 挑戦できない | すごいね おりこうだね えらいね |
認める | 行動や存在や事実を伝える | 自信がある 挑戦できる 他人に貢献できる 自己肯定感が高い | 今日も頑張ってるね 1人でできたね |
認められて育つと、このままの自分でいいんだという気持ちがうまれ、自己肯定感が高まります。つまり、心の土台が作られます。
褒めるより効果的!認める子育てのメリット
認める子育てのメリットは以下の3つです
1.挑戦意欲が増す
2.自己肯定感が高まる
3.信頼関係を築ける
それぞれ詳しく説明していきます
1.挑戦意欲が増す
認められると、また次も頑張ろうという気持ちになれます。なぜなら、認められて育った子どもは自信があるからです。自信が挑戦する気持ちへ繋がります。
更に、挑戦すると人生の幸福度が上がります。
人生で最も後悔していることは「挑戦しなかったこと」という研究結果があります。(※)
逆に、認められず、間違った褒め方で育った子どもは、難しいことに直面したとき頑張ろうという気持ちが育ちません。なぜなら、失敗すると恥ずかしいと人の評価を気にしているからです。
- すごいね
- おりこうさん
- えらいね
間違った褒め方すると自信がなくなり、挑戦しな人に成長するため、人生の幸福度も下がってしまいます。
認めて育った子どもは、挑戦意欲が増し、人生の幸福度が高まります。
(※)参考:米誌『Emotion』に掲載された「The Ideal Road Not Taken」
2.自己肯定感が高まる
認められると、自分を肯定できるようになる。なぜなら、このままの自分で大丈夫という安心感が生まれるからです。
自己肯定感の土台となる部分は自分を受け入れる力です。ポジティブな自分もネガティブな自分もどれも自分なんだと受け入れてあげることが、自己肯定感を高める第一歩となります。
大人の場合は自分を受け入れてあげることで自己肯定感は高まります。
しかし、子どもは、まず人から認められ、どんなその子自身も受け入れてあげることで、このままでいいんだという気持ちになれます。
子どもを認めてあげると自己肯定感の土台が作られます。
3.信頼関係を築ける
認めてあげると親子の信頼関係が築けます。認められることで本音で話し合える親子関係になるからです。
ここで質問です。あなたならどちらの人を夫にしたいですか?
- 悪いところばかり指摘してくる夫
もっと丁寧に部屋を掃除したほうがいいよ!
- 頑張ったことを認めてくれる夫
今日も部屋をキレイにしてくれたんだね。ありがとう!
当たり前ですが夫にしたい人は、後者の認めてくれる人ですよね。
人は自分の頑張ってやったことを認められたときに、相手を信頼し本音を話し出します。何か悩み事があったときには、自分を認めてくれる人に相談しようという心理になるからです。
これは親子関係でも同じことが言えます。
ガミガミ注意する親よりも、頑張ったことを伝えてくれる親の方を信頼します。
子どもを認めることで、本音で話せる親子関係を築けます。
子育てで使える!褒めずに褒める【認め方3選】
認める方法は以下の3つです。
1.結果を認める
2.行動を認める
3.存在を認める
それぞれ具体例と効果をみていきましょう
1.結果を認める
出来たことを伝えましょう。 人からできたことを認められることで、自信に繋がります。
ポイントは以下のようにできたことを具体的に伝えることです。
- 時間通りにできたね!
- 100点を取れたんだね!
ただし、「すごいね」「えらいね」などのほめ言葉だけで伝えるのはやめましょう。
冒頭でも書いたように、他者からの評価を気にする自己肯定感の低い人に育ってしまうからです。
出来たことを具体的に伝えていきましょう。
2.行動を認める
失敗したときなど結果に繋がたなかった時に、プロセスの頑張りを伝えていきましょう。頑張ったことを認められると、頑張ることで認められるんだという思考になり、失敗しても頑張れる人へと成長します。
アメリカのスタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドウェック教授は難しい問題に直面したときに、粘り強く頑張る人と、すぐにあきらめてしまう人の差は「能力に対する考え方」だと指摘しました。
どういうことかというと、粘り強く頑張る人は、頭の良し悪しは努力次第だという考えを持っています。
逆に、すぐに諦めてしまう人は、頭の良し悪しは遺伝的に決まっていてどうしようもないことだと決めつけています。
なぜ、そのような考えに違いが生まれたのでしょうか?
それは、褒め方の違いでした。
粘り強く頑張れる人は頑張ってきたプロセスを認められて育ち、すぐに諦める人は結果のみを褒められて育ったのです。
プロセスを認めてあげることで、粘り強く頑張れる人へと成長します。
つまり、努力をできる人へと育ちます。
努力とは成功するための必須の項目である「やりぬく力」に必要な力です。
やり抜く力の育て方について詳しく知りたい人はこちらの記事を一読ください。
3.存在を認める
その子自身の存在を認めてあげましょう。自分の存在を認められることで、「自分には価値がある」「このままの自分でも大丈夫」という自己価値や自尊心が育ちます。
自己価値や自尊心が育つと、自分を大切にする気持ちが芽生え、更に他人も大切にできる人へと成長します。
相手の事を思いやる心はまず自分を思いやる心が育ってから身に付きます。むやみやたらに「相手の気持ちを考えて」というよりも、まずその子の存在を認めてあげることで、他者を思いやる気持ちが育ちます。
他者を思いやる気持ちが育つとEQがグングン伸びていきます。
でも存在を認めるってどうしたらいいの?と疑問に思っている方も多いと思います。
存在を認めるポイントはとても簡単です。
以下のように名前を入れて声掛けをするだけです。
- ○○君おはよう
- ○○ちゃんどうしたの?
大人でもそうですよね。一度しか会ったことのない人から、自分の名前を覚えてもらえてると自然と嬉しくなりますよね。子どもも同じ気持ちです。
名前を入れて声掛けするだけで、存在しているだけで価値があるという自己価値や自尊心が育ちます。
褒めるより認める子育てで自己肯定感が高まる
「すごいね」などと褒めるのはやめて、認める子育てを実践していきましょう。
認めるとは、どんな子どもも受け入れてあげることです。
認める方法は以下の3つです
1.結果を認める:成功したときに効果的
2.行動を認める:失敗した時に効果的
3.存在を認める:どんなときでも効果的
認めてあげることで、親子の信頼関係を構築できます。心の土台となり、自己肯定感を高めてくれます。
認める子育てを実践していきましょう!