子どもの気持ちが分からない
どうしていつも私を困らせるんだろう
人の子どもと自分の子どもの成長を比べて落ち込んだり、子どもの行動を理解できなかったりと子育てで悩んでいませんか?
誰もが初めての子育てなので、悩むのは当たり前です。子育てについて教えてくれる場所なんて存在しないからです。
私自身も子ども産む前はワクワクし希望に満ちた気持ちでいました。
しかし、実際に産んで育ててみると、夜泣きからくる寝不足、抱っこしていないと泣きっぱなし、少し成長すると「イヤ」と言われ癇癪(かんしゃく)を起こす日々でした。
こんなに苦労し不安だった理由は、先の見えない育児だったからです。
誰だって、地図がなくどこへ行けばいいのか分からない旅は不安でたまりませんよね。
子どもの成長段階を知らない育児は地図のない旅と同じことです。
今回紹介する子どもの心の発達は、子育ての地図のようなもので子どもの先々の成長が分かるので、ある程度心構えができます。
また、育てるべきポイントが分かるので、子育てでよくある落とし穴に落ちなくてすみます。
そこで今回は子どもの心の成長のロードマップを発達心理学をもとにして作成しました。
これを読むことで、子どもの現在の発達段階を理解できるので、子育ての悩みがグンと減ります。
特にこんな人読んで欲しい内容です。
- 1人目を育てている
- 育児に相談できる人が近くにいない
- 子どもの成長について知りたい
子育ての悩みを減らし、子どもと楽しい時間を過ごしましょう
乳幼児期:0~1歳は親と信頼関係を築く時期
獲得能力:希望
肯定的側面:基本的信頼
否定的側面:基本的不信
養育者との関わりを通して基本的信頼を得ます。しかし、信頼できない体験があると基本的不信を抱くようになります。
例えば、以下のようにママが日頃からお世話をすることで赤ちゃんはママを信頼しはじめます。
- お腹がすいて泣くとママがやってきてミルクをくれる
- オムツが気持ち悪くて泣くとママがやってきてオムツを交換してくれる
- ママがいつも抱っこをしてくれる
毎日お世話をするとママと子どもの間に「愛着」が生まれます。
ママと赤ちゃんの間に愛着が生まれ信頼関係を築けると、その後はパパやきょうだい、おじいちゃんおばあちゃんへと赤ちゃんが人を信頼する気持ちは広がっていきます。
さらに成長すると、友達や仲間に愛着が向けられて、深い付き合いができるようになります。
つまり、子どもの人間関係の良し悪しは、ママ(特定の人)との信頼関係を土台にして育っていきます。
逆にママが赤ちゃんのお世話をしない、泣いても放置していることなどのネグレクトが続くと、赤ちゃんは基本的信頼を得ることができません。成長しても、人との付き合いが苦手だったり、人にたいしてどこか否定的だったりする人へと成長してしまいます。
この時期にママがしっかりと子どものお世話をすることで愛着が生まれ、基本的信頼関係を築けます。
幼児期前期:1~3歳は自立する心を作る時期
獲得能力:意思
肯定的側面:自立性
否定的側面:恥・疑惑
自分の意思で行動できるようになり、成功すればほめられて自信に繋がり、失敗すれば恥ずかしさや自分自身の疑惑を持つようになります。
これが上手に育つと、自分の意思をしっかりと持った人へと成長します。
1歳頃になると歩けるようになったり、話せるようになったり子どもの行動範囲が広がります。また2歳になるとイヤイヤ期にも差し掛かります。
行動範囲が広がると、道路に飛び出してしまったり、高いところへ登ろうとしたりなど危険な好奇心から命に危険な事もたくさん増えてきます。
イヤイヤ期では自我が芽生え始め、「こうやりたい」という自己主張をするようになってきます。
そこで親は行動を制限したり、しつけや注意をしたりすます。
たしかにしつけや注意は子育てでは欠かせないことです。しかし、過度にやってしまうと、「自分は大丈夫?」と疑問を持ったり、間違ったことをすることは恥ずかしいという羞恥心を抱くようになってしまいます。
逆に、子どもの行動を親があれこれ口を出さずに見守って育てると、子どもの自立心が育ちます。
自我が芽生え、自己主張をする子どもに寄り添いサポートする子育てをすると、自分の意思を獲得できます。
幼児期後期:3~6歳は遊びの中で様々なことに挑戦する時期
獲得能力:目的・目標
肯定的側面:自主性
否定的側面:罪悪感
3~6歳は様々なことに積極的に挑戦し、自主性が高まります。しかし、行動を制限されたり、大人に叱られたりすることで罪悪感も生まれる。
この時期は遊戯期ともよばれ、遊びの中で挫折と成長を経験する時期です。
運動能力・言語能力・想像力が発達し、積極的に様々な事に自分から挑戦する自主性が高まります。
しかし、人と比べられたり、厳しく叱られたりすると罪悪感を抱きはじめます。「自分の行動は良くない?」「お母さんをいつも困らせてる」と罪悪感を抱いてしまいます。それが続くと、必要以上に人の目が気になる子どもへと成長してしまいます。
また、この時期に思う存分遊べないと、信じる力・自主的に行動する力・自分の感情をコントロールする力を育めなくなります。その結果、自分で判断することができない子へと成長し、進路を決める時・仕事を決める時でも自分で選べない子になってしまいます。
自分で選べないことが何が怖いのかというと、人に選んでもらっているため、失敗した時に他人のせいにする人になってしまいます。
罪悪感を多少味わっても、自主性が上回ると目的意識を持った人へと成長します。
児童期:6~12歳は人と自分を比べる時期
獲得能力:自己効力感
肯定的側面:勤勉性
否定的側面:劣等感
小学校に入学すると勉強やスポーツに取り組む勤勉性が高まります。その一方周囲からの評価が気になり、認められなかったり上手くいかなかったりすると劣等感を抱くようになる。
ぼくは友達よりできてない
人と比べて劣等感を抱く時期ですが、見方を変えれば自分自身を客観視できるようになった証拠です。しかし、やる気を失ったり、落ち込んでしまったりとマイナスに作用してしまう恐れもあります。
マイナスに作用しないためには、親のサポートがとても大切になってきます。人から応援され勇気づけられることで「友達よりもできない事もあるけど、自分だってできるところはある」と思えるようになってくるからです。
サポートするポイントは以下の3つです。
- タイミングよく伝える
- 具体的に伝える
- その子は必ずできると信じる
自分を信じる力は人から信じられた経験を通してのみ育っていきます。まずは自分の子どもは必ずやり遂げられると信じ、できているところを具体的に伝えていきましょう。
劣等感を乗り越え、勉強やスポーツに一生懸命取り組む勤勉性を身につけると、自分はできる・やってみようという自己効力感を獲得できます。
参考図書:よくわかる発達心理学、子どもの発達心理学